情報処理技術者試験とは? 13種類の試験を解説

情報処理技術者試験
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情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験は、日本国内で広く認知されている国家試験であり、IT技術者や管理職が取得すべき資格として重要視されている。これらの資格は、ITに関する知識やスキルを客観的に証明する手段であり、初級者から上級者まで幅広いレベルに対応している。

情報処理技術者試験とは?

情報処理技術者試験は、情報処理技術者としての知識・技能が一定以上の水準であることを認定する国家試験だ。ITに関係するすべての人に向けた試験として実施されており、情報技術の背景として知るべき原理や基礎となる知識・技能について、幅広く総合的に評価している。

試験の区分は難易度や技能の種類により13に分かれている。情報処理安全確保支援士試験のみ、試験合格後に申請することで、国家資格である情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)になることができる。

試験は毎年春(4月)と秋(10月)の2回行われているほか、一部試験ではCBT方式によって随時行われている。

試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
情報処理推進機構(IPA)の「試験情報」に関する情報です。

ITパスポート試験(IP)

ITの基礎知識を確認するためのエントリーレベルの試験。IT業界以外の職種や、これからITの基礎を学びたい人を対象としている。ITに関する基礎的な知識に加えて、企業活動や経営管理に必要な知識も問われる。CBT方式により、随時実施されている。

情報セキュリティマネジメント試験(SG)

情報セキュリティの基本的な知識を確認する試験。企業内での情報セキュリティ管理を担当する人材を対象としている。セキュリティリスクの管理や、セキュリティ対策の実施に関する基礎的な能力が問われる。CBT方式により、随時実施されている。

基本情報技術者試験(FE)

ITエンジニアとしての基礎的な技術や知識を確認する試験。システム開発やプログラミングに関する初級レベルの知識が求められる。アルゴリズムやデータ構造、ネットワーク、セキュリティなど、広範囲な技術分野をカバーしている。CBT方式により、随時実施されている。

応用情報技術者試験(AP)

中級レベルのITエンジニアを対象とした試験。システム設計やプロジェクト管理など、実務で役立つより高度なスキルが必要。技術的な問題解決力や、ITを活用した経営戦略立案のスキルも問われる。春期試験と秋期試験の年2回行われている。

ITストラテジスト試験(ST)

経営戦略にITを活用するためのスキルを問う試験。ITを用いた事業戦略立案や、経営者とのコミュニケーション力が求められる。春期試験のみ行われている。

システムアーキテクト試験(SA)

システム設計全般のスキルを問う試験。大規模なシステムの構築や設計に関する知識が必要。春期試験のみ行われている。

プロジェクトマネージャ試験(PM)

プロジェクトを成功に導くプロジェクトマネジメントの知識・スキルを問う試験。秋期試験のみ行われている。

ネットワークスペシャリスト試験(NW)

ネットワーク技術に関する専門知識を問う試験。ネットワークの設計・運用・管理のスキルが重要。春期試験のみ行われている。

データベーススペシャリスト試験(DB)

データベースの設計や管理に関する知識を問う試験。大規模データベースの運用やセキュリティ管理も含まれる。秋期試験のみ行われている。

エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)

組込みシステムの開発に関する専門知識を問う試験。ハードウェアとソフトウェアの連携に関する技術が重要。秋期試験のみ行われている。

ITサービスマネージャ試験(SM)

サービスの計画立案能力や組織管理の専門知識を問う試験。高度IT人材として確立した専門分野をもち、サービスの計画立案から提供、改善のための組織の活動及び資源を指揮・管理する者が対象。春期試験のみ行われている。

システム監査技術者試験(AU)

情報システムやIT業務に対する監査能力を問う試験。ITリスクの評価やコンプライアンスに関する知識が求められる。秋期試験のみ行われている。

情報処理安全確保支援士試験(SC)

情報セキュリティに特化した試験。セキュリティポリシーの策定や、サイバー攻撃への対応など、高度なセキュリティ対策が問われる。試験合格後に申請することで、国家資格である情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)になることができる。春期試験と秋期試験の年2回行われている。

まとめ

これらの試験は、IT業界でのキャリア形成やスキルの証明に有効であり、資格取得によって業務の幅が広がると同時に、技術者としての信頼性を高めることができる。それぞれの試験は、専門的な分野に特化しているため、受験者は自身のキャリアに合わせた資格を選択することが重要である。

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