知的財産管理技能検定は、その名の通り、知的財産を管理する技能の習得レベルを測定・評価する国家資格だ。検定が開始された2008年から2024年までの受検者はおよそ50万人。1〜3級までのレベルがあり、3級は誰でも受検できるが、2級と1級は実務経験などが必要となる。
管理人は2024年11月の第49回知的財産管理技能検定2級(学科・実技)を受けた。結果から言うと、自己採点で学科・実技共に不合格という不甲斐ない結果だった。
申込:CBT方式を選択できるようになった
知的財産管理技能検定2級の受検資格は2年以上の実務経験などいくつかあるが、実務経験はないので3級の合格者ということで受検した。検定の申込は公式サイトのマイページから行うことができる。
前回3級を受けた時(2024年3月)はまだ会場でのペーパーテストのみだったが、新たにCBT方式でも受検できるようになった。ただし、会場と日程が空いていればいつでも受験できるタイプではなく、決められた試験日に紙と同一の問題が使われるタイプのCBT方式だ。前回は某大学での受検だったが、今回は家から近いテストセンターでCBT方式での受検を選んだ。

試験勉強
勉強には、3級の時に使ったテキスト兼問題集の2級向けである『2024~2025年版 知的財産管理技能検定2級テキスト&過去問題集』(秀和システム)を使用した。CBT方式の導入に合わせ、ネット上でできる模擬試験(学科・実技過去問4回分)も提供されるようになった。
試験日の1ヶ月ほど前から一応テキストを読み始めていたが、3級が割と簡単だったのもあって、あまり勉強に身が入っていなかった。しかし、試験2週間前にCBT方式の模擬試験をやってみてから、「これは結構難しいかも…」と思うようになった。というのも、この検定で出題される問題の多くは文章の正誤判定なので、パソコン画面だけでやるとケアレスミスを連発したのだ。
ペーパーテストなら問題文にラインを引いて精読したり後からもチェックしたりできるのだが、画面上だとそうはいかない。2級の問題は、3級よりもひっかけやどちらが正答なのか悩ましい文章もたびたび出てくる。合格には80%以上正答しなければならず(3級は70%以上)、過去問を繰り返すたび、ケアレスミスが命取りになりかねないという懸念は強くなった。
試験前2週間は、過去問中心に毎日1時間ほど勉強していた。最終的に過去問は9割以上理解できていたと思う。思っていたが…。
試験当日
当日。テストセンターに到着すると、すでに同じ試験を受けると思しき人たちが数人いた。このテストセンターは雑居ビルの一角で非常に狭く、待機スペースはほとんどなかった。受付を済ませた後は、ビルの廊下で立ったまま試験開始時刻まで待つことになった。
試験開始10分前に入室。指示されたパソコンブースに座り、受付でもらったIDとパスワードを入力、表示されたガイダンスを済ませると試験開始が可能となる。
ブースには割と大きくて見やすいディスプレイが設置してあって、表示される文字サイズも少しだけいじれるのだが、それでも問題は読みにくい感じがした。慣れないディスプレイで集中して文章を読むのは思ったよりも辛かった。FP3級のような計算問題や穴埋め問題などがメインの試験とは異なる緊張感がある。
試験本番では、ケアレスミス対策として、受付でもらえる用紙に全ての問題の答えをメモすることにした。やや面倒ではあったが、最初の学科試験の見直しの時間に「メモしておいて良かった」と心から思った。というのも、画面上の誤クリックによって選択肢の変更が起こりうることに見直しの最中気づき、あまり時間がない中で選択肢を全て見直すことになってしまったからだ。全問解くのに予定では学科・実技共に40分以内で終わらせるつもりだったが、結局45分以上かかってしまったのもあって、見直しの時間はあまり長く取れなかった。見直しを効率化できて、メモは取って本当に正解だった。
試験内容であるが、学科も実技も、過去問ではあまり触れられていなかった分野・内容について深掘りする出題が多かったように思う。わずかにある穴埋め問題も傾向が少し変わっていたし、過去問だけでは足りない試験だったように感じている。
過去に受けたCBT方式の試験では、試験終了と共に採点結果を教えてくれたが、今回それはなかった。試験翌日、問題と正解が公開されると共にマイページから自分の回答も見られるようになったが、それも採点はされていなかった。せっかくのCBT方式なのだから、自動で採点してくれてもいいと思うんだが…。
自己採点の結果、学科は29点/40問、実技は31点/40問だった。80%=32点以上で合格なので、いずれも不合格。メモまで取ったにも関わらず、特に前半の学科ではケアレスミスがいくつかあって、試験前の懸念が的中していた。対策不足に知識不足もあって、当然の不合格という気がしている。
次回試験は来年3月に行われる。まだ予定は決めていないが、リベンジするなら次はCBT方式ではなく、紙の試験にするかもしれない。