ファイナンシャル・プランニング(FP)技能検定は、資産管理や税務、保険、投資といった幅広い分野の知識が求められる資格試験である。個人や企業の資産形成や運用に関わる重要な役割を担うため、受験者の知識と実務スキルを段階的に評価するために、1級から3級まで設けられている。
FP検定の概要
FP技能検定は国家検定の一つで、1〜3級の等級があり、それぞれに学科試験と実技試験が設けられている。日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2つの団体が実施している。
また、日本FP協会では、FP技能検定の他にAFP資格やCFP資格といったプロフェッショナル向け資格の試験や講座を実施している。FP技能検定も一部がその中に組み込まれており、2級の合格がAFP資格の要件だったり、CFP資格が1級の受検資格のひとつだったりする。

1〜3級の内容と受験資格
FP技能検定は、2級と3級で試験の方式が従来の紙からCBT化するなど、制度が大きく変わっている最中である。以下では2024年10月における各級の試験概要を記すが、詳細については実施団体である日本FP協会ときんざいの公式サイトを参照していただきたい。
FP技能検定 | 日本FP協会
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会公式サイトです。
FP技能検定 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
3級FP技能検定
- 対象:初心者や個人の資産管理を学びたい人が主な対象。
- 試験内容:資産運用、保険、税金、相続など、個人のライフプランニングに関する基礎知識を問う。
- 試験形式:学科試験(90分)と実技試験(60分)の2科目で、いずれも選択式。CBT方式。
- 受検料:8000円(学科試験と実技試験)
- 受検資格:誰でも受験可能。
2級FP技能検定
- 対象:3級を取得した人や、FP業務に従事した実務経験者など。
- 試験内容:3級に比べて、より深い専門知識を問われる。個別の税制やリスク管理、投資など、実践的な知識と応用力が求められる。
- 試験形式:学科試験(120分)と実技試験(90分)の2科目。現在は紙による試験が行われているが、2025年4月からCBT試験に変更される。
- 受検料:11,700円(学科試験と実技試験)
- 受検資格:3級合格者、FP業務に2年以上従事した経験者、日本FP協会のAFP認定研修を修了した者など。
1級FP技能検定
- 対象:上級者や長期間FP業務に携わってきたプロフェッショナル向け。
- 試験内容:高度な財務プランニング能力が求められ、クライアントの資産設計や企業向けの総合的な財務プランの提案ができるスキルが問われる。
- 試験形式:学科試験(120分)と実技試験(120分)。学科試験は紙による記述式試験。実技試験は日本FP協会では紙による記述式試験、きんざいでは口頭試問。
- 受検資格:日本FP協会認定のCFP認定者など。2級合格+実務経験では受験できない。
- 試験日程:日本FP協会の実技試験は毎年9月、きんざいでは1、5、9月に学科試験が、9月に実技試験が行われる。
4. まとめ
FP検定試験は、ファイナンシャルプランナーとして必要な知識を段階的に評価するための試験である。3級は初心者向けであり、その上の2級までは一般人でも受験が可能だが、1級になると高度な専門知識や実務経験が求められる。全体的に業務経験者向けの資格であるが、3級の試験内容は私生活に役立つ知識も多いので、社会人から学生までとりあえず受けてみて損はないだろう。