社会保険労務士(社労士)試験は合格が難しい資格の一つ。多くの受験生が資格予備校や通信講座を受講している。しかし、独学で社労士試験に挑んでいる受験生も実は少なくない。本当に独学で合格できるのか? この記事では2024年に社労士を独学で受けた管理人が、独学を考えている人への具体的なアドバイスや試験対策を解説していく。
なお、管理人は独学での合格は難しいと考えている。
独学のメリット・デメリット
メリット
- コストが抑えられる
予備校や講座はそれなりに高額な費用がかかる。独学すると市販の参考書や過去問集だけで済むため、費用を最小限に抑えられる。 - 自分のペースで学べる
独学の場合、講義を気にせず自由に勉強時間をやスケジュールを組める点がメリットといえる。特に仕事や家庭の都合で時間を確保しにくい人に向いている。
デメリット
- 試験範囲が広く、対策が難しい
社労士試験の試験範囲は膨大で、ある程度スケジュールを立てて計画的に勉強することが求められる。また、最近の法改正や統計といった知識も求められるため、市販の教材だけでは対策に不安が残る。 - モチベーションを保つのが難しい
モチベーションの維持は独学の難点と言って差し支えない。特に社労士は試験内容が膨大なこともあって、長期間コツコツと勉強することが求められる。勉強を習慣化し、やる気を維持することは独学者に最も求められるスキルでもある。
独学が向いている人、向いていない人
独学にはかなり向き不向きがある。また社労士試験の場合、法律や保険制度への深い理解が要求されることもあり、基礎的な知識や経験の有無によって独学が難しい場合もある。下記の特徴を見て、もし向いていない人の方に近いなら、独学は少し考え直したほうがいい。
向いている人
- 自分でスケジュールを立てて粘り強く進められる。
- 学習意欲が高く、モチベーションを維持する方法を知っている。
- 社労士に関わる仕事をすでにしている。
向いていない人
- 計画を立てるのが苦手で、スケジュール通りに進めることが困難。
- 一人ではモチベーションの維持が難しく、長期戦が苦手。
- 法律や年金などの仕組みに馴染みがない。
独学と講座の併用をおすすめする理由
最近ではインターネットの通信講座も増え、独学をベースとしつつ通信講座も受講するという受験生は多い。当サイトでもまずはこの形を推奨する。特に法律や制度に不慣れな受験生は、わからないところを質問できる制度がある講座を受講することをお勧めする。
動画配信形式の講座であれば比較的値段も安い。自分のペースで勉強を進められる上、直前期には法改正に関する講義も受けられるはずだ。費用を抑えつつも体系的な学びを得られ、よくわからないところをプロに教えてもらうこともできる上、独学では対策が難しい最新法改正や白書・統計も対策ができる。
以前、社労士試験の受験経験者数人に聞いたのだが、独学者がほとんどだったにも関わらず、合格した独学者はたった一人だった。話を聞いた合格者のほとんどが何らかの形で予備校の講座を受講していた。ネット上には独学で社労士試験に受かったという体験談が山のようにあるが、それはごく一部の優秀な人たちなのだ。これを書いている管理人自体、独学で玉砕した一人である。
社労士試験はメジャーなので、本屋に行けば教科書が置いてあるはずだ。少し読んでみて「難しい」と感じたなら、通信講座の利用を考えてみて欲しい。
それでも独学したいなら
- しっかりとした計画が不可欠
独学では自分で学習スケジュールを立てる必要がある。科目ごとの進捗を管理し、コツコツ勉強することが合格への第一歩。勉強記録をつけて記録するのがおすすめ。 - 良質な教材選び
幸いなことに、社労士試験では予備校各社が教科書、問題集、過去問集などを出版している。また、最新の法改正を取りまとめた参考書なども販売している。ネット上ではTAC出版の「みんなが欲しかった!シリーズ」やユーキャンの資格試験シリーズの評価が高い。書店などで内容を確認し、気に入ったものを探そう。
- 過去問を徹底的に分析
過去問の繰り返しが非常に効果的…なのだが、最近は過去問とは違う傾向の問題が出題されるようなこともあり、過去問に力を入れすぎるのも危険。過去問を含む問題演習を繰り返して、とにかく基礎を固めることが重要である。 - 模試を受験する
大手予備校で実施されている模試は、独学者もぜひ一度は受けてみるべきだろう。可能ならば会場で実施される模試に参加すべきだ。実際の試験と同じスケジュールで受けられるので、各科目の時間配分や休み時間の使い方などを考えるのに役立つ。管理人はそれで失敗した。
まとめ
社労士試験は独学でも合格可能だが、ネット上で語られているほど簡単ではない。管理人を含め、多くの人が独学での合格に失敗している。予算との兼ね合いもあるだろうが、独学にこだわらず、予備校や通信講座の利用を考えるべきだ。幸いなことに、最近は比較的低額なネット講座も充実してきている。社会人が社労士試験を合格しようと思うなら、結局それが近道だろう。