社会保険労務士試験とは? 難易度は高いの?

社会保険労務士
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社会保険労務士試験の概要とその難易度について

社会保険労務士(社労士)は、労働法や社会保険制度に精通し、企業や個人に対して労務管理や手続きのサポートを行う国家資格だ。この資格を得るために受けなければならないのが毎年8月に行われている「社会保険労務士試験」だ。非常に専門的かつ膨大な知識を要求されるため、難易度も高い。そのため社労士は難関資格として知られている。

試験の概要

社会保険労務士試験は4月中頃から5月末まで申込受付期間があり、毎年8月に全国の会場で行われる。結果発表は10月初旬。

社会保険労務士試験オフィシャルサイト
社会保険労務士試験オフィシャルサイトです。社会保険労務士試験に必要な証明書、申込書などのファイルをダウンロードできます。また、試験に関する最新情報を掲載しています。

試験は「選択式」と「択一式」の2つに分かれている。

  • 選択式試験
    7つの主要な法令科目から出題され、8科目5問の穴埋め形式で答える。これらは労働基準法や健康保険法、年金制度関連など、社労士としての実務に必須の知識ばかりだ。選択式の満点は35点だが、単に合計点が基準を上回ればいいわけではなく、各科目で最低点をクリアする必要がある。この「科目別基準点制度」が、試験の厳しさを増している要因の一つだ。どれだけ他の科目で点を取っても、一つでも基準点を下回れば不合格になるというシビアなルールだ。
  • 択一式試験
    こちらも7つの法令科目から7科目70問出題され、問題に対する解答を5つの選択肢から1つ選ぶ形式だ。全体の満点は70点で、合格基準は42〜45点程度とされる。択一式でも選択式と同様に科目ごとの基準点があり、この基準点を下回った科目があると合計点が基準を上回っていても不合格になる。
試験科目選択式
計8科目(配点)
択一式
計7科目(配点)
労働基準法及び労働安全衛生法1問(5点)10問(10点)
労働者災害補償保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
1問(5点)10問(10点)
雇用保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
1問(5点)10問(10点)
労務管理その他の労働に関する一般常識1問(5点)10問(10点)
社会保険に関する一般常識1問(5点)
健康保険法1問(5点)10問(10点)
厚生年金保険法1問(5点)10問(10点)
国民年金法1問(5点)10問(10点)
合計8問(40点)70問(70点)
社会保険労務士試験オフィシャルサイトより

合格難易度は高い

合格率は低い
社会保険労務士試験の合格率は、例年6~7%前後と非常に低い。2024年度の合格率は6.9%だった。

合格発表 | 社会保険労務士試験オフィシャルサイト
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法改正への対応
前述したように、労働法や社会保険制度は法改正が頻繁に行われる分野だ。試験では最新の法改正が問われることも珍しくない。受験生は試験対策として膨大な過去問を解くだけでなく、直近の法改正にも対応する必要がある。これが多くの受験生にとって難関となっており、スクールなどに通わず独学で合格することを難しくする一因となっている。

科目別の合格基準点
前述した科目別の合格基準点が、受験生に強いプレッシャーを与えている。選択式でも択一式でも、いくら合計点が高くとも、どれか一つの科目で基準点を下回ればその時点で不合格になってしまうのだ。つまり、得意科目で苦手科目をフォローするという戦略が取れない。このことが受験生のメンタルに大きな負担をかけている。

試験範囲の広さ
社労士試験は、労働法や社会保険に関する7つの法令に加え、さらに実務的な知識も問われるため、試験範囲が非常に広い。これに加えて、関連する裁判例や通達、ガイドラインまで理解しておかなければならない。ただの暗記だけでは太刀打ちできず、深い理解を要求される試験となっている。受験生は、緻密な勉強スケジュールを立てて十分な勉強時間を確保しなければならないが、これが受験生の多くを占める社会人には不利な条件となっている。

まとめ

社会保険労務士試験は、幅広い法律知識と最新の法改正情報を求められる上に、各科目ごとの基準点をクリアする必要があることから難関試験の一つに数えられている。独学での合格は難しいとされ、スクールなどに通っても、合格までには長い道のりを要する試験とされている。

参考

社会保険労務士試験オフィシャルサイト

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